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海よりも深い青
その3 |
海底神殿内のとある部屋には、5名の海将軍が揃っている。 |
『起きて下さい。パラスさま……』
シードラゴンがそう願った時、霊廟の扉が静かに開く。 |
「ここに居たのね……」 霊廟に入ってきたのは女神テティス。 自分の恋が可愛がっていた子を死に追いやったという事実に、彼女は心を壊してしまった。 『テティスさま』 虚ろな女神を見た時、シードラゴンはその異様な様子に驚く。 「パラス。ここに居たら危ないわ……」 そう言って女神テティスは、柩の蓋を開けたのである。 『テティスさまぁ〜』 マーメイドの鱗衣は女神に近付く。 だが、女神テティスの視線は柩の中の女神に注がれていた。 「さぁ、行きましょう……」 そう言って彼女は女神パラスの亡骸を抱き上げると、そのまま霊廟から出て行ってしまう。 『私も行きます!』 その後を追いかけるマーメイドの鱗衣。 シードラゴンはどうしたらいいのか判らず霊廟内に取り残されてしまった。 そんな彼の背後の壁が、急にグニャリと歪んだ。 |