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グリフォン君の空色のリボン

その13
「この綺麗な色をくれるのですか!」
グリフォン君の可愛い言い方に、パンドラ様は微笑みました。
とても綺麗な表情でした。
「常々、其方に似合うと思っていたのだ。
どうだ、受け取ってくれるか?」
まさか冥王さまのお姉さまから贈り物がもらえると思っていなかったグリフォン君は、 とても興奮しながら何度も頷きました。


その14
パンドラ様に空色のリボンを付けてもらって、グリフォンくんは嬉しくなってしまいました。
早速、案内の役目を終えるとミーノス様のところへ戻ります。
立派な角に結ばれたリボンは、彼が歩くたびに柔らかく揺れました。
ところが彼のご主人様は、パンドラ様のくれたリボンを外せと言ったのです。


その15
「似合いませんか?」
なんだか悲しくなって、グリフォン君は思わず尋ねてしまいました。
するとミーノス様は何も言わずに部屋を出て行ってしまったのです。
グリフォン君は慌ててミーノス様の後を追いましたが、廊下には誰もいません。
『ミーノス様!』
グリフォン君は自分のしでかした事にショックを受けました。


その16
『どうしよう……』
自分の返事でミーノス様を怒らせてしまったらしい。
グリフォン君は動揺のあまり、その場から動けなくなってしまいました。
『パンドラ様がくれたけど……』
グリフォン君は悲しくなって、リボンを外そうとしました。


その17
「待ちなさい!」
彼の行動を止めたのは、大事なご主人様の声でした。
「グリフォン。お前の爪ではリボンが痛みます」
ミーノス様は手に可愛い小箱を持っていました。
そしてグリフォン君に近づくと、空色のリボンに手を伸ばしたのでした。


その18
「お前の移動能力では、風を受けてリボンが痛みやすくなってしまいます。
それではパンドラ様に申し訳が立ちません。
とっておきの日以外は、この小箱にしまっておきなさい」
ご主人様の説明に、グリフォン君は驚きました。