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そのままの君でいて 〜春麗18歳〜 その14

翌朝、春麗は朝の光で目を覚ました。
そして自分が横にならずに眠っていた事に気がつく。
「……紫龍……」
彼の方は一睡もしていないらしかったが、壁に寄り掛かり平気な顔をしていた。
「春麗。もう身体は痛くないか?」
尋ねられて春麗は慌てて紫龍から離れたが、昨夜の身体の痛みは嘘のように消えている。
そして着ている服がさらにブカブカだった。
彼女はそれに気がついて、急いで手鏡を出して自分の顔を覗き込む。
「元に戻っているわ!」
「明け方に薬効が切れたんだよ」
彼はそう言って立ち上がると背伸びをする。 そして春麗は昨夜のことを思い出す。。

★★★
「紫龍、ごめんなさい!」
春麗は冷静に回想して、恥ずかしさのあまり火が出たかのように赤くなってしまう。
「大丈夫?どこか痛い所無い??」
下から覗き込まれるように見つめられて、彼としては目のやり場に困る。
春麗の着ている服は自分のもので大きい為、胸元が見えてしまうのである。
「お、俺は大丈夫だから!」
どうして良いのか判らず、紫龍は急いで部屋を出てしまう。
★★★
「まっ、そんなもんですよね」
居間でゆっくりと茶を飲んでいる二人の黄金聖闘士。
「あれはよくも悪くも純情じゃからなぁ」
小さな家の中での出来事ゆえに、だいたいの事は彼らにバレバレである。
「今回はわしらに内緒で春麗の様子を見に行ったというだけでも、少しは成長しているんじゃろう」
そこへ紫龍が嬉しそうな表情でやってきた。
「老師、ムウ。春麗が起きました!」
そんな事とっくに判っているのだが、二人は改めて嬉しそうに笑った。