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そのままの君でいて〜春麗18歳〜
その9 |
再び貴鬼が五老峰にやって来ると、童虎は入れ代わりに聖域へ行ってしまう。
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しばらくして童虎は一人の黄金聖闘士を連れてきた。
教皇シオンが日本へ行っている為不在だったので、彼は教皇代理をやっている射手座のアイオロスを連れてきたのである。 春麗はこの客の来訪に驚く。 アイオロスの方も春麗の様子が変わっている事に驚いたが、特に表情には出さなかった。 「春麗、ワシは身体を鍛え直さねばならん。 しばらくの間、アイオロスがワシの修行の相手をしてくれる事になったから、承知してくれ」 彼はそう言ってアイオロスと大滝の方へ向かう。 「春麗。見に行って良い?」 貴鬼に尋ねられて、春麗は頷いた。 |
彼はアイオロスに棒術の修行に使用する長い棒を渡す。 |
基本的に聖闘士は武器の使用は禁止されているので、逆に言うなら武器に関しては関心を持つ必要があまりない。
というか、黄金聖闘士ともなると敵が武器を使用する前に倒してしまうので、武器が何であるかを知ってはいても、それだけの話なのである。 実際、彼らの中ではアルデバランとシュラが少々武術を使えるくらいだった。 この事実に教皇代理であるアイオロスと双子座のサガは愕然としてしまう。 何故なら、必要に迫られた時に天秤座の武器を彼らが使いこなせるかどうかと言う事に関して、問題があると言わざるを得ないからである。 本当に使わなくてはならない時に武器の力を最大限にまで引き出すには、使用者もその武器に関して熟達していないとならない。 武器の性能に依存した使い方は、武器そのものを壊しかねないのだ。 結局、サガが他の黄金聖闘士たちを鍛え直すという事で、アイオロスが童虎の武術訓練に付き合う事になった。スパルタ教育のサガと笑顔で過酷な訓練を課すアイオロスのどっちが良いと尋ねられた時、黄金聖闘士たちは表情で様子の判るサガを選んだのである。 |