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そのままの君でいて〜春麗18歳〜
その5 |
「軟弱ヲトコ茸について調べようと、もう一度ヂパングへ言ったのですが、そこの古老の一人から面白い話を聞いたんです」 |
しかし、原因がわかった所で何の手も打たなければ、彼女はこの先ずっと軟弱ヲトコ茸の匂いで、いきなり見知らぬ男性にも愛の告白をしかねない。 |
その日の晩、紫龍は人の気配で目を覚ました。
部屋を出てみると、台所で春麗が湯飲みを持ちながら、何か考え事をしている。 「春麗?」 「あっ、紫龍……。 ごめんなさい。起こしちゃったのね」 慌てて湯飲みを片付ける春麗。 「どうかしたのか?」 「何でもないわ。私、もう寝るね」 彼女はそう言って紫龍の横を通り抜けた。 (腕を伸ばして彼女が戻るのを止めたら、何かが変わるのだろうか?) 振り返っても、彼女の姿はもう見えなかった。 |