部屋は黒い霧がかかっているかのようだった。アイザックは慎重に中へと入る。 |
ピラミッドに入ったミロは、壁を凍らせているカミュから今の状態を説明された。 |
「いったい何をやったんだ」 ミロがアイザックの行動についてカノンに説明を求めたが、カノンにだって分かるわけがない。とにかくヒルダを庇いつつミーメが部屋を見る。 暗い部屋はどこからか青白い光を得て、その様子を一変させていた。 そして無数の細かい氷が敷き詰められているかのような床にはトールが倒れていた。壁側にはアイザックがしゃがみ込んでいる。 「トール!」 ヒルダとミーメが部屋に駆け込む。 「トール!!」 ミーメが体を揺すると、相手がうっすらと目を開けた。 「ミーメ……? ヒル……ダ……さま」 トールはヒルダがここにいることに驚いていた。 |