今回、聖域からカミュ、ミロ、アイオリア、そしてシュラがサポート役としてこの地にやって来た。
その氷のピラミッドを見たとき、シュラは何かいやな予感がした。
これは明らかに人以外の力によって作り上げられている。そんな建造物を呪術がなんたるかを知らない聖闘士たちが関わっては、もっと悪い方向に事態が展開しそうな気がするのだ。
そう考える最大の理由は、今の自分たちは仮りの体であるということ。 女神ヘカテの出す『女神の試練』をアテナがクリアしないと、元の力と生命力を取り戻すことが出来ないということ。
ところがアイオロスは「大丈夫だ!」と簡単に断言した。
「……」
とにかく黄金聖闘士達は聖域の守護とデスクィーン島の調査もしなくてはならないので、あまりこちらに人数は割けない。
(無事に崩して終了となればいいのだが……)
問題はこの建造物に力を与えている存在の扱い。
何しろ神闘士たちと海将軍の間には深くて暗い溝が存在するのだ。そのわだかまりが事態の解決を妨げるようなことはあってはならない。
ということで、彼らもまた実力行使で問題解決にあたれと厳命されていた。
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