「出口はこっちだ。 この流れる水の上から外れるなよ」 知っているような気がする闘士の言葉に、ミーメは足元を見た。 青い世界に一筋の道が出来ている。 それは無機質な床を流れる細い小川だった。 だが、いくら走っても出口らしいものは見えない。 彼は自分の判断に一抹の不安を覚えた。 しかし、前を走る闘士が敵だとも思えずにいる。 正体のよく分からない闘士の後を追いながら、ミーメは不意に相手の名前を思い出す。 (彼は魔矢か……?) その言葉がきっかけなのか、彼は今まで感じていた不安が少しずつ拭い去られてゆく。 (だが、彼は夢の中で見かけた人物だ) それではこれもまた夢なのだろうか? ミーメは周囲の様子を見ようと、いったん立ち止まると後ろを向く。 すると揺らめく空間の中に、北斗七星と同じ配置で神闘士の仲間たちが浮かんでいたのである。 「これは!」 ミーメは戻ろうとしたが、再び魔矢に腕をつかまれた。 「気付かれたぞ!」 魔矢の声と同時に、辺りを強い光が襲う。 ミーメは思わず目をつぶった。 足元の床が崩れる。 水を全身に浴びる。 そして壁に叩きつけられたかのような衝撃を感じたあと、彼の意識は遠くなっていったのだった。 |