目を開けると、どこまでも青く澄んだ世界が広がっている。 その闘士は、自分が見知らぬ場所にいる事に驚いた。 (いったいこれは……) 彼は慌てて、自分の両手を見た。 自分の身にまとう鎧の色が違う。 (これは……) しかし、竪琴の音色は変わっていない。 自分がどうしてここにいるのか。 あの戦いはどのような結末を迎えたのか。 彼は竪琴の弦を弾きながら、当時のことを思い出そうとした。 (アンドロメダと戦い……。そしてそこにフェニックスが現れた) そのあと……。 彼がそう呟いたとき、いきなり背後で何かが動いた。 「誰だ!」 振り返ると、そこには一人の武装した人物がいた。 「オルフェウス! 早くここから出ろ」 まるで顔見知りのように呼ばれて、彼は怒鳴る。 「人違いだ。 私の名はベネトナーシュのミーメ。 アスガルドの神闘士だ」 しかし、相手は少し驚いただけで、ミーメの言葉を信じてはいなさそうだった。 「何を寝ぼけている。 とにかくここから出るぞ。 出口が塞がる」 腕をつかまれる。 この時、ミーメの脳裏に何かが見えた。 しかし、その場所はアスガルドではなかった。 |