そしていよいよ魔窟の調査が大詰めを迎えたとき、俺たち魔戒騎士に一つの指令が下った。
これはグレス様からの依頼で、サバックの報償でもある‘死者に会える部屋’の守護だった。話によると、この部屋はあの場所と同調するのではないかという。
確たる証拠はないとレオは言っていたが、この際レオの判断を尊重しようと、俺たちはサバックを開くことになった。何が起こるか分からない部屋なので、優勝者にその部屋の守護を一任しようということになったのだ。
ところが現地にいる魔界法師から魔窟が急に不安定になってきたという連絡が入った。こうなると俺たちもさっさと優勝者を決めないとならない。下手をすれば魔窟のホラーがその部屋に逃げ込むかもしれないのだから。
そこで殺し合い寸前のような激しいものは禁止という、力比べのスポーツみたいなサバックとなった。
余力を残せと言われると、戦闘スタイルによっては不利な奴もいるだろうが、今回は仕方ない。
重要なのはサバックの後なのだ。
しかも選ばれた魔戒騎士などと言っている場合じゃないので、体力のある若い奴は全員参加になった。
戦闘スタイルや能力、性格を加味して化け物屋敷封印の役目を負った魔戒法師の護衛を選ぶからだ。絶対に途中で魔戒法師に何かあってはならない。
あとは結界がうまく作用しなかったときの為に、ホラー討伐要員が大量に必要だった。
このとき俺はあることを考えていた。
本当にレオの言うとおりなら、あの部屋が問題の屋敷と次元が同調した場合、そこにあいつが現れるのではないかと……。
『絶狼、準決勝よ』
「わかった」
絶対に負けられない。
俺は二振りの剣を動かして、ウォーミングアップを始めた。
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