鋼牙、零、翼の三名は鎧と魔導馬を召喚する。
しかし、この空間は魔界とは異なるらしく、鎧に制限時間が発生していた。
それでも三人は連携して、零がなんとか機能停止の部品を押す。
すると第一の兵器が突然、その場に発生した穴に落下した。
あっという間の出来事で、誰も追いかけることができなかった。
「機能停止をしても、簡単には破壊されないということか……」
翼は悔しがる。
しかし、レオは「大丈夫です」と言う。
「第二か第三の兵器の許にあれは現れます」
意図的に狙うつもりはないが、システムがその機能を持っていれば、兵器たちは一つになろうとする。
「設計図に書いてあったのか?」
零は首を傾げる。
「文字で書いてあるのではなく、そういう意図を設計図に組み込んでいるのです」
魔導具作りに長けた青年は、そう断言した。
そして別の場所にいた第二の兵器はというと、侵入者たちがただの人間でないことを途中から察知したのか、攻撃と撤退を細かく繰り返す。
鎧と魔導馬の召喚が制限時間付き状態である彼らには、非常に不利な戦いだった。
しかし心滅獣身化などしたら、彼らも自己制御が利かないのだから最悪の状態を引き起こす。
そのうち第二の兵器との戦いの最中に、黒くて大きな影が上を横切る。
それは上に向かおうとしていた。
「鈴を直接狙うつもりか!」
翼は叫んだが、今度は第二の兵器が三人をこの場から逃さないように動く。
レオはとっさに外に向かって駆ける。
とにかく最短の距離を頭の中で計算した。
確実に間に合わないと思いながらも、諦めるわけにはいかない。
地上には守らなくてはならない人たちがいるのだ。
──鎧ヲ召喚セヨ!
突然、誰かの声が脳内に響く。
四人の魔戒騎士たちは一斉に鎧を召喚した。
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