「ア…アテナ。貴女たちもこの世界の崩壊に呑み込まれ…、共に消滅せざるを得ないだろう…」 冥王ハーデスが倒されたことにより、冥界の消滅は加速度を増す。 あらゆる建造物が塵となり消えていった。 「みんな…帰りましょう。光のある世界へ…」 沙織自身、ここから生きて帰れるとは思っていない。 彼女は腕のなかで冷たくなってゆく少年を強く抱きしめた。 彼の胸を刺し貫いた剣は、所有者を追いかけるかのように消滅。神聖衣から血が流れだした。 「星矢…」 共に戦ってきた四人の少年たちは、そんな二人を静かに見守る。 そのとき頭上で白く何かが光った。 「!!!」 とっさに四人は沙織と星矢をその場から引き離す。 閃光と爆音がすぐ側で起こったかと思うと、次の瞬間には周りの様子が一変していた。 |