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海よりも深い青
その28 |
「異次元牢が壊れるぞ!」 |
空間を切り裂くかのように閃光が縦横無尽に走る。
その余波で牢が粉々に砕け、中なら少々ズタボロの海将軍が現れた。 「カストール!!」 久しぶりに会う仲間に、カストールは揉みくちゃにされる。 怒って居るわけではない事は判るのだが、かなり手荒い感謝の意思表示だった。 |
(あの謎の海底神殿での出来事は、これから起こり得る出来事なのだろうか?
) カストールは思い出す度に首を傾げてしまう。 「お前なら、あの男に会えるだろう」 そう言って彼はシードラゴンの鱗衣の胸部を軽く叩いた。 シードラゴンの鱗衣自身、困惑しているような気配がある。 「……もし会ったら……」 そう言った後、カストールは沈黙してしまう。 あんなにも強烈な魂の輝きを持った男を主にしたら、聞き分けの良過ぎるシードラゴンの鱗衣は確実に振り回される。 もしかすると向こうは、シードラゴンの鱗衣以外の闘衣をまとえる資質の持ち主かもしれないのだから。 「……もし会って主と決めたら、誰が何といっても意地を通せ。 でないと、別の闘衣に取られるぞ」 今の主の言葉に、シードラゴンの鱗衣は、ますます困惑してしまった。 |
後にシードラゴンの鱗衣はカノンという青年を主と決める。
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了 〜 |