○ 蒼摩と……
蒼摩は無駄だと分かっていたが、一度だけジュネにあってみようと思った。
ソニアのことを知っているのか確認したかったのである。
ところがどういうわけだか、ジュネはどこか別の場所に隔離されたという。
では、どこなのか。
彼はまず、聖域に行ってみようと考える。
そんな彼の肩を叩く者あり。
「よぉ!」
「光牙! お前、病院を抜け出したのか!!」
当分、安静にしているよう言われているはずだが……。
しかし、光牙の方は大丈夫だと笑っていた。
「アリアがジュネさんに会いたいって言っているし、俺も会ってみたい」
「会う?」
「その人なら、隕石の影響を受けずに済む方法を知っているかもしれないだろ」
しかも、闇の力に対抗できる手段を持っているらしい。
自分の事を知るには、どうしても女神アテナに助け出された最初の場所を調べたいという。
しかし、今の段階では隕石の力が強くて、ウッカリすると闇の浸食を受ける可能性もある。
「暴走なんてしたくはないけど、こればっかりは賭だからなぁ」
少しでも長くその場所で調査をしたいなら、自衛策は必須ということだった。
「でも、ジュネさんとは正攻法では会わせてもらえそうにないから、こっちから動くことにしたんだ」
相手が独立聖闘士だというのなら、直ぐに任務に戻られたら二度と会えないだろう。
ならばその前に無理矢理にでもチャンスをつくるしかない。
二人は顔を見合わせて頷いたのだった。
〜了〜
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