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75. 迷い

続々・緊迫 7 より

「神々の作り上げた闇の闘衣。
これを同じタイミングで破壊すれば、全てのエネルギーは神殿に逆流する。
上手くいけば、神殿に出現しようとしているアルキュオネウスを倒せる。
そしてこの地は機能を停止し、大地の女神たちも助ける事が出来るだろう」

ポリュデウケースの言葉に、黄金聖闘士たちは条件の厳しさを瞬時に理解した。
「おい紫龍。老師と交代しろ!」
デスマスクの暴言に、黄金聖闘士たちは一層条件が過酷になったと判断する。
「えっ???」
紫龍は何を言われたのか分からず、首を傾げた。
「だから老人を労れと言っているんだ。
一番の問題は老師が俺達のスピードに付いてこれるかだ。
いくら若返ったとはいえ、何百年も五老峰の前で座りっぱなしの人間に過剰な期待をするな」

老師の実力のほどは、本人が半ば伝説化しているので何故か大丈夫のような気がしていた。
だが、本当に大丈夫かと言われると、神聖衣まで得ている弟子の方が確実のような気がする。
今までだったら考えられないような選択肢の発生が、彼らを惑わせた。

この時、闘士達は天秤座に該当する暗黒宮から険悪な小宇宙を感じ取る。


「何か揉めているようですね」
ミーノスの言葉に、沙織は頭が痛かった。