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「この子の名前はアイオリアだ。ごらんの通り可愛い子だろ。 やんちゃ盛りだから目を離すことは出来ないんだが、あいにく私はこれから出掛けなくてはならない。置いてゆくのは非常に心配だ」 「兄さん?」 「彼女には一週間後に見合いがセッティングされているから、絶対に怪我などはさせるなよ」 「……」 「と言うことで、お前にアイオリア嬢を預ける。 詳しいことはこっちのノートを読んでくれ」 この説明の後、獅子座の黄金聖闘士に小さなライオンの仔とノートが託される。彼は自分の身に降りかかった事態をすぐに理解することが出来なかった。 「……」 革で出来た彼女の赤い首輪には、名前が彫られたプレートがついている。 「それからしばらくの間は、お前はレオを名乗るんだ。 アイオリアの名は、こっちのお嬢さんが所有する。アイオリアと呼ばれても反応はするな」 同時に渡されたバックには、大量のネコ科動物用のミルク缶と哺乳瓶が入っていた。 一緒に暮らすための準備に抜かりは無い。 「兄さん。これは……」 「見合い当日まで頼む」 アイオロスは弟の肩を叩くと、獅子宮から去っていった。 |
いきなりライオンの子を育てるという事態に、彼は戸惑いを隠せない。 |
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