エウリュディケーが聖域に居るという情報は、直ぐさまハインシュタイン城に報告された。
パンドラはとても喜んで、すぐにでも会いたいとラダマンティスに言う。
しかし、彼としてはオルフェとの確執を考えると、まだ時期が早すぎるような気がした。
「いずれ良いときを考えて、会える様にします。
今は文通くらいに抑えてください」
彼は半分くらいは勢いに任せた説得をした。
するとパンドラは
「それもそうだな」
と言って、いきなり机に向かうと便箋を出したのである。
「パンドラ様?」
「大丈夫だ。最初はアンドロメダ宛にしておく」
「いえ、そうではなくて……」
「手紙は直接、聖域に持っていって貰うしかないな。
あそこは一応、隔離された場所だ。
カメレオン座の聖闘士を近くで見ても、決して想いを寄せてはならぬと部下たちに言っておけ」
それはどんなギャンブルですかと、ワイバーンの冥闘士は言いたくなった。
しかし、彼は女主人の命令には逆らえなかった。
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