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約束
ゼドムとの戦いのあと、俺は西の管轄へ移動となった。 |
そう思うと、符礼法師も大変だっただろうなと、人ごとのような感想を呟きたくなる。 |
急いで窓の外を見たが、あの派手めな姿で一途な魔戒法師の姿はどこにもない。 部屋の中を再び見るとテーブルの上に紙があった。魔界竜の姿は消えている。 俺はその紙を見た。 書かれている文章に息をのむ。 『猛竜へ ごめん! 類ちゃんがボルシティからいなくなったって哀空吏から連絡が来た。 考えてみれば一度、術で記憶を弄っているから二番目の記憶抹消の術、上手く機能し続けられなかったみたい。 ということで、後はよろしく☆』 なんだ、この文章は! 彼女がいなくなったって、どういうことだ!! 俺は矢も盾もたまらず、外へ飛び出す。 このとき、外にいた人とぶつかりそうになった。 「猛竜さん!」 その声に、俺は動きが止まる。 そこにいたのは、会いたいと願い続けた女性。 会ってはいけないと考え続けた俺の宝物。 「ようやっと見つけました」 彼女の笑顔に、俺は動けなくなった。 眩しすぎて目が痛いのか、涙が出てくる。 〜終〜 |
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